SSブログ

民度の低さに呆れてものが言えない [視点 Viewpoint]

とんでもない事件が発覚した。
イギリスの国営放送BBCが原爆被害者を笑いものにしたバラエティ番組を放送したのである。

戦争の悲惨な歴史は英国王室のゴシップ話題とは訳が違う。
なぜ言っていいことと悪いことの分別がつかないのか。
英国民の民度の低さを実感する。
こんなことでは世の中から紛争など消え去ることはないであろう。
怒りがただただひたすらこみ上げてくる。

この日のことを決して忘れないように日本経済新聞電子版に掲載された
社説を引用しておきたい(引用許諾申請済み)。

日本経済新聞 電子版
2011年1月21日付け 朝刊 社説
『英BBC放送の被爆者愚弄は許し難い』

 これは原爆被爆者を愚弄するだけでなく、核廃絶を願うすべての人々の気持ちを踏みにじる、
実に許し難い行為である。
 英公共放送のBBCは広島と長崎で二重に被爆した山口彊(つとむ)氏について昨年末、テレビ
のお笑いクイズ番組で「世界一、運が悪い男」などと紹介した。在英邦人の指摘を受けて、日本大
使館はBBCと番組制作会社に書面で抗議した。
 問題の放送は金曜夜の人気番組「QI(とても面白い、の略)」で、昨年12月17日に放映された。
 動画投稿サイト「ユーチューブ」で番組をみると、アロハシャツを着た司会者は、山口氏が広島
に出張して被爆し、長崎に戻った後で再び原爆の被害にあった事実などを面白おかしく紹介。ス
タジオからは何度も笑い声があがった。きのこ雲や山口氏の顔写真も掲げられていた。
 大使館は今月初め、担当公使名で抗議の書簡を送った。これに対し番組のプロデューサーは20
日、大使館に「この(原爆)問題に対する日本人の潜在的な敏感さを軽視したのは明らか。お気楽
な番組で扱うには全くそぐわないと日本人が見なすのは想像に難くない」などと釈明する書簡を
返したという。
 BBCは猛省し、昨年死去した山口氏の遺族や、ほかの被爆者はじめ日本人に正式に謝罪すべ
きである。それは最低限、必要なことだ。
 だが、今回の一件からは、謝罪しても片付かない深刻な問題がうかがえる。被爆者を笑いもの
にするような番組を平然と放映したこと自体が、英国民の間に原爆の残忍さが浸透していない現
実をはしなくも露呈したのではないか。
 冷戦時代には、旧ソ連の「核の脅威」に英国を含む西欧諸国が悩まされてきたと伝えられた。だ
が一般英国民の核に対する認識は極めて甘かったと思わざるをえない。もしこの見方が正しけれ
ば、英国の教育者や教育当局なども考えるべきことがあるといえないだろうか。
 米国では「原爆投下が太平洋戦争を早く終わらせた」と投下を正当化する考え方が根強い。極
めて問題だが、その米国でも、オバマ大統領は核廃絶を訴えてノーベル平和賞を受賞した。しか
し西側主要国である英国の国民が核兵器の残忍さを十分に理解していなければ、オバマ氏が進
める核廃絶運動の将来も暗い。
 一方で、こんな心ない番組が先進国で放映された事実を考えると、唯一の被爆国である日本か
らの、原爆の悲惨さをめぐる情報発信がまだまだ足りないと思わざるをえない。
<引用終わり>
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。